2009年8月24日月曜日

素晴らしい映画と素敵な音楽(2)

昨日の続きです。

「黒いオルフェ」

黒いオルフェはジャズのセッションでも必ずといって良いほど演奏されるポピュラーな曲ですが、実際にこの題名の映画を観たのは初めてでした。
1959 年公開で原題名は「Orfeu Negro」・・昨今では差別用語とも言われかねないような題名ですが、オルフェというのは主人公の名です。ギリシア神話のオルフェオとエウリディーチェ の物語を題材にしているそうですが、物語の舞台はカーニバルで盛り上がるブラジル、リオデジャネイロ。すべて現地ロケで、出演者全員が黒人、しかも地元の サッカー選手などをオーディションで採用したということで、目を見張るような踊りの上手さや、子供が叩くパンディエーロ(タンバリン)のリズムがめちゃス ゴかったり、全て本物!臨場感あふれています。リオの人達は1年間働いたお金をカーニバルで使い果たすと言われていますが、この映画を観るとなんだかそれ も分かるような気がします。カーニバル当日、熱狂的に踊る人々はほとんどトランス状態。興奮して何人もの死者が出るのも頷けます。日本人の私たちには ちょっと理解しがたいようなお気楽さ、能天気さはさすが地球の裏側の国だな~なんて思ったりもしますが(笑)

この映画も主役は音楽でした。オープニングから全篇に渡ってずっと躍動的なサンバのリズムが流れているのが印象的でした。
ア ントニオ・カルロス・ジョビン(Antônio Carlos Jobim)の手がけたサウンドトラックにはルイス・ボンファ(Luiz Bonfá)による「カーニバルの朝」をはじめとしたボサノヴァの古典的名曲が使われていて、サンバの強烈なリズムと、主人公オルフェがギター弾きながら 歌うボサノヴァの名曲「カーニバルの朝」や「フェリシダージ(悲しみよさようなら)」の対比は、リズム対メロディ、躍動対哀切というカラーがはっきり浮か び上がって、とても効果を挙げています。

市電の運転手オルフェは、田舎から出てきた美少女ユリディスと出会う。
そして運命の糸にたぐり寄せられるように二人は恋に落ちる。
リオのカーニバル当日、踊る人々の中にオルフェとユリディスもいた。
しかし嫉妬にもえるオルフェの婚約者ミラは、ユリディスと争い、ユリディスはその場から逃げるように立ち去る。
そんな彼女に歩み寄る謎の“死の仮面”の男。
死につきまとわれたオルフェとユリディスに、悲劇は両手を広げて待ち構えていた。

最後は悲劇的な結末を迎えるオルフェとユリディスですが、陽はまた昇り希望ある未来を予感させるように、オルフェを慕っていた子供たちがギターを弾きながら歌う「オルフェのサンバ」。
あ~、この曲ってこういう意味だったんだ~!
「カーニバルの朝」「フェリシダージ」「オルフェのサンバ」が自分の中で繋がった瞬間でした。
めちゃ感動です。



立て続けに2本、結末の悲しい恋愛映画の名作を観ましたが、比較するととっても好対照で面白かったです。ハッピーエンドは観ていても楽しいですが、すぐに内容などは忘れてしまいます。
でも、この2本はストーリー以上の“何か”があって、いつまでも心に余韻の残る作品でした。









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