2009年12月16日水曜日

え?本当にそうなの?

先日の「ためしてガッテン」というNHKの番組で『あなたのシミ消します!冬の美肌復活大作戦』というテーマで放送されました。
私はそれを見なかったのですが、美容仲間やお客様からの反響が大きく、しかも、ちょっとセンセーショナルな内容だったので番組のHPを調べてみました。
う~ん、確かに正しいことを言っている部分もあるとは思うのですが、え?天下のNHKの番組でそんなこと言い切っちゃっていいの?ってな部分もありました。

こ れまでもテレビの情報番組の美容ネタやダイエットネタで明らかに変だったり、あれあれ?私の知っている情報とは全く違うな~っていう内容のものも多かった のですが、とにかくテレビと言うのは視聴率のためにはちょっとセンセーショナルな言い方をする傾向があり、色んな方面に影響力が多いのです。放送内容を鵜 呑みにして、話題になった商品が品切れを起こし、店頭から消えるほどブームになってみたり、健康やお肌にかえって悪影響のある場合がありますから、いくら 権威のある人がテレビの中で語ったからといって、それが全て正しいとは言い難いのではないでしょうか。

そこで今回の内容について私の入っている美容研究会の仲間で、皮膚科専門医Dr.Manaこと岩本麻奈先生はご自身のブログでこんな見解を出しておられます。

以下、先生のホームページより抜粋

☆スキンケア都市伝説──シミと泡洗顔に触るなスキンケア?☆

Twitter をはじめてみて解った面白味は、
そのライブ感だな、と思います。
ここ数日、まるで皆さん謀ったかのように、
“@コンタクト”や“ダイレクトメッセージ”で
ある質問が集中してきております。

「TV番組で、美容皮膚科の先生が
顔のしみは手との摩擦によるものだと……。
ということはマッサージもよくないの? 突然の疑問」
「某番組で“顔は一切触っちゃいけません。泡だけで洗い、
化粧品も触らないくらいの感じでつけましょう。
触れば触るほど皮膚に炎症が起こり、
かんぱんや皮膚の老化につながります”と言ってました。
本当にそうですか?
じゃあマッサージは? エステは? 
何もしないほうがいいのかな……?」
「メイクって泡洗顔だけで落ちるものですか?
すごく時間もかかるし、さっぱり気分になれません」
──などなど。

どうも数日前に放映されたらしき、
とある番組のシミ特集での内容が原因のようです。
私は番組そのものを直に見てはいないので、
その内容を検証することはできません。
また、たとえフルに見たとしても、
メディアの場合は大抵、ある結論にもっていくための
制作サイドの意図を持った“編集”という作業があるので、
どこまでそのドクターが御自身の明確なオピニオンで
話しているのかさえ、判断が難しくなります。
いずれにしても、こういうセンセーショナルな
キャッチというのは、以前の肌断食、
メガネ拭き洗顔法などを思い起こさせます。

この場ではそれを批判する目的ではなく、
あくまでも混乱されている方々の考え方を
すっきり整理していただくために、
美容理論を少々展開したいと思います。

1 確かに炎症性色素沈着というのはあって、
合わない化粧品による接触性皮膚炎の後や、
過度の摩擦によってそれが喚起されることはあり得ます。
多種多様のコスメを塗り重ねることで
肌荒れになっている人や、ゴマージュ、ピーリングの
やり過ぎで皮膚のバリアを痛めている人などは、
触らないようにすれば症状がよくなるのは確かでしょう。

2 顔のシミについてですが、
女性に多い“肝斑”(*註)というのは、
別に摩擦によってできるものではありません。
紫外線や過度の摩擦は増悪因子ではありますが。
よって、触らないスキンケアでは、
このタイプのシミを消すことはできません。
ましてや洗顔法を変えることで消すことも不可能です。

3 いずれにしても“だから何もしないのがいい”と
受け取るのは極論です。
1や2と関係ない肌質の人もたくさんいるわけです。

4 マッサージのあと真っ赤になったり、
しばらくして毛細管出血が点々とできるような
強いマッサージは“厳禁”ですが、
適度で心地よいマッサージは脳内ホルモン分泌を促します。
少し考えてみてください。
ちょっと触ったくらいででシワになったり
シミになったりするほど皮膚が脆弱であるとすれば、
日々のしゃべったり笑ったりという表情による筋肉の動きや、
あるいはシャワーを浴びるだけでも、
すでにあなたの皮膚はしわしわのシミだらけ、でしょう。

5 泡洗顔に関してですが、
普通は水溶性の汚れを落とすべきものであり、
いくら薄化粧であったとしても、
これで油性の汚れを落とす機能まで追求するのは
化学的にも無理があります。
顔に付着したメイクなどによる油分は
クレンジングなどの油分で浮かして、
それをふき取った後に残ってしまった分を泡洗顔で落とす
(冷水だと皮脂がとれにくいので、ぬるま湯で)。
こちらが正しい用法です。
すると皮膚の毛穴などが開放され、美容液などの成分が
浸透しやすくなる土壌もできあがります。
また、どんなに優しい洗顔法であるといっても
洗顔のあとは油分も水分もさっくりと減りますので、
そのあとのスキンケアで補ってあげることが大切です。

私自身はシンプルケアを提唱していますが、
それは日常において数多くの種類のコスメを使うのではなく
質のいいコスメを最小限に、という意味です。
必要なものは与えてあげなくてはいけません。
そしてたまには贅沢なパックや心地よいマッサージで
活力と高揚感、ときにはリラックス感を与えることが、
どんなに心と肌に効くか……実感できることが大切です。
メディアの情報だけを無条件に盲信したりせず、
ぜひ自分の頭で考え、感性に従って判断してみてください。

*註 “肝斑(かんぱん)”:中年の女性にできがちな
悩ましい褐色地図状のまだらなシミで、
頬骨から目の脇のあたりにできることが多い。
最近は治療効果のある光線療法もでてきたが、
従来はレーザー禁忌で、美白剤で徐々に薄くするか、
メラニン活性化阻害の働きのある
抗プラスミン効果を持ったトラネキサム酸と
ビタミンCの内服が効くとされる。
女性ホルモンが関係しているとされ
閉経後に薄くなることが多い。

   ************以上



今後もこの問題については、色んな方の意見をお聞きして
何かわかったらご報告いたしますね。

またMANA先生のホームぺージ『Dr.MANAの南仏通信』は、ウチのリンクページから行くことが出来ますので、是非行って見てください。
とっても楽しくて、ためになる内容ですよ。


『生活習慣美容』はキレイなお肌への最短距離です。
美肌工房SATOSHIYAのホームページもご覧下さい。

ご意見、ご質問、コメントなどいつでもお待ちしております。

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